去年の分の残業代、今からでも請求できるのかな。そんなふうに気になっても、忙しさに紛れて後回しにしてしまうことはありませんか。実は賃金を請求できる権利には期限があり、時間が経つほど取り戻せる範囲は狭くなっていきます。今すぐ動かなくても、まず期限だけは知っておきましょう。
賃金請求権には時効がある
- 給料や残業代を請求できる権利は、法律上「消滅時効」の対象になっています
- 現在は賃金の請求権が原則5年(当分の間は3年の経過措置)とされ、退職金は5年です
- この期間を過ぎた分については、原則として請求が認められなくなります
覚えておきたいこと。時効は「気づいた日」からではなく「賃金が支払われるはずだった日」から数えて進みます。放っておくほど請求できる範囲が減っていきます。
時効を止める・延ばす方法
- 内容証明郵便などで会社に請求の意思を伝えると、一定期間時効の完成が猶予されます
- 労働基準監督署への申告や、労働審判・訴訟の申し立てによっても時効の進行を止められます
- 会社との話し合いだけで済ませず、書面や記録に残る形で意思表示をしておくことが大切です
今からできること
- 給与明細・タイムカード・シフト表など、勤務時間と支払額がわかる資料を集めておく
- いつの分がいくら未払いなのか、月ごとに整理しておく
- 「そのうち請求しよう」を先延ばしにせず、早めに窓口へ相談する
- 在職中でも退職後でも請求できる権利は変わらないため、退職を理由にあきらめる必要はない
古い分から順に時効にかかっていくため、請求するかどうか迷っている段階でも、まず記録を残すことから始めておくと安心です。時効の起算日や経過措置の扱いは制度が変わってきた部分でもあるため、正確な期間は相談先で確認しながら進めましょう。
困ったときの相談先
- 労働基準監督署:未払い賃金・残業代の相談、会社への是正指導を求められます。
- 法テラス(日本司法支援センター):無料の法律相談の入り口になります。
- 各自治体の労働相談窓口:働き方やお金の悩みを幅広く相談できます。
- 警察相談専用ダイヤル #9110:脅されている、身の危険を感じるときの相談先です。緊急時は110番を。