「忙しい時期は残業続きなのに、残業代がほとんどつかない」「シフト制だから仕方ないと言われた」——そんなモヤモヤを抱えていませんか。会社が「変形労働時間制だから」と説明する働き方には、実はきちんとしたルールがあります。仕組みを知って、自分の残業代が正しく計算されているか確認してみましょう。

変形労働時間制とは

  • 一定の期間(1か月単位・1年単位など)を平均して法定労働時間(週40時間)に収まっていれば、特定の日や週に法定時間を超えて働いても残業代が発生しない仕組み
  • 繁忙期は労働時間を長く、閑散期は短く設定するなど、あらかじめ会社が労働日・労働時間を決めておく必要がある
  • フレックスタイム制とは異なり、始業・終業の時刻を労働者本人が選ぶことはできない

適用の条件

  • 労使協定または就業規則で、対象期間・労働日・各日の労働時間があらかじめ具体的に定められていること
  • 定められた労働時間が、就業規則の掲示・配布などによって従業員に伝えられていること
  • シフト表を直前にしか知らされない、頻繁に変更されるといった運用は、制度の要件を満たさない可能性がある

覚えておきたいこと。あらかじめ決めた労働時間を超えて働いた分や、決めた労働日以外に働いた分は、変形労働時間制のもとでも残業代の対象になります。「変形労働時間制だから残業代は一切出ない」という説明は誤りです。

残業代の確認ポイント

  • 就業規則や労使協定に、自分の勤務パターンの労働時間があらかじめ明記されているか
  • 実際のシフトが、あらかじめ決められた労働日・労働時間と大きく食い違っていないか
  • 決められた時間を超えて働いた日は、その超過分の残業代が給与明細に反映されているか
  • 制度の説明を一度も受けていない、書面を見せてもらえない場合は、そもそも制度が有効に成立していない可能性がある

困ったときの相談先

  • 労働基準監督署:制度の運用や残業代の未払いについて相談できます。
  • 法テラス(日本司法支援センター):無料の法律相談の入り口になります。
  • 各自治体の労働相談窓口:働き方や給与の悩みを幅広く相談できます。
  • 警察相談専用ダイヤル #9110:脅されている、身の危険を感じるときの相談先です。緊急時は110番を。