給与明細を見て、身に覚えのない項目が天引きされていて驚いたことはありませんか。会社は自由に給料から何でも引いていいわけではなく、天引きできる範囲は法律で決まっています。まずは何が引かれてよくて、何がだめなのかを知っておきましょう。
天引きが認められているもの
- 所得税・住民税などの税金
- 健康保険・厚生年金・雇用保険といった社会保険料
- 労使協定を結んだうえで会社が定めた項目(社宅費・親睦会費など)
これらは法律や労使協定にもとづくもので、給与明細に内訳が記載されているのが通常です。
違法になりやすい天引きの例
- ミスや遅刻・欠勤への「罰金」として一方的に給料から差し引く
- 労使協定がないのに、会社の判断だけで物品代や研修費を天引きする
- 「辞めるなら」といって最後の給料から根拠のない金額を引く
覚えておきたいこと。賃金は全額を本人に支払うのが原則です(賃金全額払いの原則)。例外は法律で決まっているものと、労使協定で合意したものだけです。
気づいたときにできること
- 給与明細の控除欄を毎月確認し、覚えのない項目がないか見る習慣をつける
- 天引きの根拠(就業規則・労使協定)を会社に確認する
- 口頭で説明されただけで済ませず、書面やメールでも確認しておく
- 説明に納得できない場合は、明細のコピーなど記録を残しておく
パート・アルバイトでも同じ原則
- 雇用形態にかかわらず、賃金全額払いの原則はすべての働く人に適用される
- 短時間勤務や単発の仕事であっても、根拠のない天引きは認められない
- 「今月だけだから」といったあいまいな説明で流されないようにする
困ったときの相談先
- 労働基準監督署:違法な賃金天引きの疑いがあるときに相談できます。
- 法テラス(日本司法支援センター):無料の法律相談の入り口になります。
- 警察相談#9110:悪質な取り立てなど身の安全にかかわる不安があるときに相談できます。
- 各自治体の女性相談窓口:お金や働き方の悩みを幅広く相談できます。