ある日突然勤務先と連絡が取れなくなって、約束していたお給料がもらえない。「え、わたしのお金どうなるの…?」と、頭が真っ白になってしまいますよね。勤務先が倒産・閉鎖しても、あなたが働いた分のお給料が消えてなくなるわけではありません。ここで一緒に、落ち着いて取り戻す方法を見ていきましょう。
「何からすればいいかわからない」「怖くて動けない」——そう感じるのは当然です。でも、お給料を払わずに消えるのは雇用主側の問題であって、あなたには何の落ち度もありません。ここでは「何をどの順番で」やればいいかを、できるだけ具体的に説明していきます。
まずは深呼吸して「証拠」を集めよう
お給料を請求するときに、いちばん力になってくれるのが「働いていた証拠」です。連絡が取れなくなったあとだと集めにくくなるので、思い出せるうちにスマホに残しておきましょう。
- 出勤日・出勤時間がわかるもの(シフト表の写真、勤怠アプリ、自分のメモやカレンダー)
- 雇用主や上司とのメール・メッセージのやり取り
- 給与明細や、過去に振り込まれた通帳・アプリの履歴
- 勤務先の名称・住所、雇用主や責任者の氏名・連絡先
- 一緒に働いていた人の連絡先(同じ被害なら協力し合えます)
「契約書をもらっていない」「現金手渡しだった」という人も大丈夫。メッセージのやり取りやメモだけでも、立派な証拠になります。まずはあるものをかき集める気持ちでいきましょう。
働いた分のお給料を払うのは、雇用主の「義務」です。会社の都合で消えることはありません。あなたには受け取る権利があります。
証拠はすぐスクリーンショットで保存し、日付と金額をメモにまとめておきましょう。スマホの紛失に備えて、クラウドや別のデバイスにも保存しておくと安心です。正式な労働契約書がなくても、実際にそこで働いていたことを示すものは何か必ずあります。
請求してみる、ひとりで抱えない
証拠がそろったら、まずは雇用主に「働いた分のお給料を払ってほしい」と、はっきり伝えてみましょう。このとき、口頭ではなくメールやメッセージなど"文字に残る形"で連絡するのがポイントです。
- いつ・いくらの未払いがあるかを具体的に書く
- 「○月○日までにお願いします」と期限を添える
- 送ったやり取りはスクリーンショットで保存しておく
それでも連絡が取れない、無視される、という場合は、自分だけで何とかしようとしなくて大丈夫です。下にまとめた公的な窓口や専門家が、無料で力を貸してくれます。働いた事実があれば、雇用の形に関わらず労働の対価を求められるのが基本の考え方です。
なお、勤務先が倒産して賃金が支払えないときは、国が未払い賃金の一部を立て替える制度(未払賃金立替払制度)を利用できる場合があります。条件があるので、労働基準監督署に相談してみてください。
困ったときの相談先
ひとりで悩まず、頼れる窓口を使いましょう。相談は無料のものが多く、匿名で聞ける場合もあります。
- 労働基準監督署(労基署):未払い給料の相談ができる国の機関です。証拠を持って相談すると、雇用主への指導につながることがあります。
- 法テラス(日本司法支援センター):国が運営する法律相談の窓口。収入などの条件を満たせば、弁護士への相談を無料で受けられる場合があります。
- 警察相談専用ダイヤル #9110:脅されている、お金を脅し取られそうなど「事件かも」と感じたときの相談窓口です(緊急時は110番)。
- 各自治体の女性相談窓口:お住まいの市区町村や都道府県が設けている相談窓口です。お金のこと以外でも、安心して話を聞いてもらえます。
どの窓口も、あなたを責めたりはしません。「働いた分のお給料を取り戻したい」——その気持ちは、ちゃんと守られていい正当なものです。一人で全部解決しなくていい。まず一つ、証拠を保存する、あるいは相談窓口に電話する——それだけで、前に進めます。あなたのペースで、できることから始めてみてください。