「もし家族に知られたら…」「友だちに気づかれたら…」そんな不安を抱えながら働いている人は、けっして少なくありません。誰かに知られたくない気持ちは、後ろめたいからではなく、あなたの大切な暮らしを守りたいから。ちょっとした工夫で身を守れることを、いっしょに確認していきましょう。

まずは「つながり」を切り離す

情報が広まる多くは、職場の中ではなく、日常のちょっとした接点から起こります。まずは普段の生活と仕事を、なるべく分けておくことが大切です。

  • 仕事で使うニックネームと本名・誕生日などをひもづけない(似た数字も避ける)
  • 仕事用とプライベート用で、SNSアカウント・メールアドレス・できれば電話番号も分ける
  • 仕事用SNSは本名の友だちと相互フォローしない。連絡先からの「知り合いかも」表示はオフに
  • LINEのID検索・電話番号での友だち追加を許可しない設定にしておく
  • プロフィール写真やアイコンを、プライベートと使い回さない

SNSのアルゴリズムは、思っている以上に人と人の共通点を見つけるのが得意です。仕事専用のメールアドレスを用意し、そのアドレスだけで登録した仕事用アカウントを作り、連絡先へのアクセスを許可しない——これだけでも生活と仕事の「つながり」をかなり分けられます。

写真と投稿は「映り込み」に注意

顔を隠していても、背景や持ち物から特定されてしまうことがあります。投稿前にひと呼吸おいてチェックする習慣をつけましょう。

  • 自宅や最寄り駅、よく行く場所が分かる景色を写さない
  • 名札・ロッカー・車のナンバーなど、勤務先が特定できるものを避ける
  • 写真の位置情報(GPS)をオフにする。投稿アプリの位置タグも付けない
  • 鏡やガラス、瞳への映り込み、窓の外の景色にも気を配る
  • リアルタイム投稿は控え、時間や日付をずらして上げる

一度ネットに出た写真や情報は、完全には消せないことがあります。「載せる前に守る」ことが、いちばん確実な対策です。

手や指のホクロ、タトゥーなど体の特徴で識別されることもあります。スマホの「設定」→「プライバシー」→「位置情報サービス」でカメラアプリの位置情報をオフにしておくと、写真ファイルに住所情報が記録されなくなります。

働く前・働くときに確認しておくこと

トラブルや情報の流出は、契約まわりから起きることもあります。安心して働くために、次の点を確かめておきましょう。

  • 提出した身分証のコピーが、どう保管・廃棄されるのか聞いておく
  • 顔出しなし、SNS掲載なしを選べるか、写真の使われ方を契約時に確認する
  • 「掲載をやめたい」と言ったときに、すぐ対応してもらえるか確認しておく
  • 給与明細や契約書など、自分の記録は手元に残しておく

万が一、無断で写真を使われたり、個人情報をばらまくと脅されたりしたら、それは不当な行為です。「辞めたら情報を広める」といった言動は、口約束であっても許されません。ひとりで抱え込まず、早めに相談してください。

困ったときの相談先

つらいとき、こわいときは、専門の窓口を頼って大丈夫です。相談は無料のものも多く、秘密も守られます。

  • 労働基準監督署:給与や契約、不当な扱いなど働き方の悩みに対応
  • 法テラス(日本司法支援センター):無料の法律相談や、弁護士の案内をしてくれる
  • 警察相談専用ダイヤル #9110:事件になる前の不安やトラブルの相談窓口
  • 各自治体の女性相談窓口:暮らしや安全、こころの悩みまで幅広く相談できる

不安なときほど、ひとりで決めなくて大丈夫。あなたには、自分を守る権利があります。