離婚を考え始めると、住まいやお金のことと一緒に「将来の年金はどうなるんだろう」という不安が出てきます。婚姻期間中に納めた厚生年金には「年金分割」という制度があり、正しく手続きすれば将来受け取る年金額に反映されます。仕組みを知っておくだけでも、先の見通しが立てやすくなります。
年金分割で分けられるもの
年金分割は、老後に受け取る年金そのものを2人で分け合う制度ではなく、婚姻期間中に納めた厚生年金の「保険料納付記録」を分け合う制度です。
- 対象になるのは厚生年金の記録のみで、国民年金(基礎年金)は対象外
- 分割の割合は婚姻期間や働き方によって変わり、話し合いや裁判所の手続きで決める場合もある
- 分割を受けても、実際に年金として受け取れるのは自分が年金を受給する年齢になってから
覚えておきたいポイント。年金分割には請求できる期限があります。原則として離婚した翌日から2年以内に手続きをしないと請求できなくなるため、後回しにしないことが大切です。
分割の種類を知っておく
- 合意分割:夫婦の合意、または裁判所の手続きで分割割合を決める方法。婚姻期間全体が対象になりうる
- 3号分割:会社員や公務員の配偶者に扶養されていた期間(第3号被保険者だった期間)について、合意がなくても2分の1に分割できる制度
自分の働き方や加入していた年金の種類によって、どちらの制度が使えるかが変わります。
手続きを進める前に確認すること
- 年金事務所で「年金分割のための情報通知書」を取り寄せ、婚姻期間中の年金記録を確認する
- 分割割合について相手と話し合いがまとまるか、まとまらない場合は家庭裁判所の手続きが必要になることを知っておく
- 離婚が成立した後、忘れずに年金事務所で分割の請求手続きを行う
情報通知書は離婚前でも取り寄せられるので、話し合いの材料として早めに確認しておくと安心です。
困ったときの相談先
- 年金事務所:年金分割の仕組みや情報通知書の取り寄せ方について相談できます。
- 法テラス:分割割合の話し合いや離婚手続き全般について弁護士への無料相談が利用できます。
- 警察相談専用ダイヤル #9110:身の危険を感じる状況での相談先です。緊急時は110番を。
- 各自治体の女性相談窓口:離婚後の生活や手続きをまとめて相談できます。
将来のお金の話は後回しにしがちですが、期限があるからこそ早めに知っておくことが自分を守ることにつながります。