「遅刻したから罰金ね」「当欠は1万円引くから」——お店でそう言われて、なんとなく従ってしまったこと、ありませんか。本当に払わなきゃいけないのかな、と心のどこかで引っかかっているなら、その感覚は大切です。ここでは、罰金がどこから「おかしい」のか、やさしく整理していきますね。
まず知ってほしい原則
働いた分のお給料は、あなたが受け取る権利のあるお金です。法律では、給料は全額をきちんと払うのが原則とされていて、お店が勝手に天引きできる範囲はとても限られています。
ポイントは、ふたつに分けて考えること。
- 遅刻・欠勤した「その時間ぶん」が引かれるのは、働いていない時間なので基本的にOK(ノーワーク・ノーペイ)
- それとは別に「ペナルティ」として上乗せで取られるお金は、法律上きびしくチェックされる
つまり「30分遅刻した30分ぶんが引かれる」のと、「遅刻したから別に5000円の罰金」はまったく別物なんです。
「罰金」がアウトに近づくケース
労働基準法では、あらかじめ「遅刻したら○円」と金額を決めておく約束(違約金の予定)は禁止されています。また、損害が出たとしても、実際の損害を超える額を一律で取ることは認められにくいとされています。
次のようなときは、一度立ち止まって考えてみてください。
- 遅刻・当欠で、働いていない時間ぶんを大きく超える金額を引かれる
- 「罰金1万円」など、金額があらかじめ固定で決められている
- 同意した覚えがないのに、勝手に給料から天引きされている
- 最低賃金を下回るほど引かれてしまっている
「働いた時間ぶんの控除」と「ペナルティとしての罰金」は別物。後者は法律できびしく制限されている、と覚えておいてください。
自分を守るためにできること
不安なときほど、記録が味方になります。
- 雇用契約書や、お店の規則(罰金の説明が書かれた紙)の写真を撮っておく
- LINEやメモアプリで「いつ・いくら・どんな名目で引かれたか」を残す
- 実際に振り込まれた金額と、働いた時間のメモを保管する
- 納得できないときは、その場で全部サインせず「持ち帰って確認します」と伝える
ひとりで判断しなくて大丈夫。「これって普通なのかな」と思った時点で、相談先を頼っていいんです。
困ったときの相談先
- 労働基準監督署:給料の天引きや罰金など、労働のルールについて相談できる公的な窓口です。お住まいや勤務先の地域を担当する署に連絡してみてください。
- 法テラス(日本司法支援センター):収入などの条件を満たせば、無料の法律相談を受けられる場合があります。弁護士に相談したいときの入り口になります。
- 警察相談専用ダイヤル #9110:脅しや無理やりの取り立てなど、こわい思いをしたときに相談できる番号です(緊急時は110番へ)。
- 各自治体の女性相談窓口:お金以外の不安や、安心して話したいときに。お住まいの市区町村のサイトで「女性相談」と探してみてください。
ここに書いたのは一般的な考え方です。あなたの状況にぴったり合う答えは、専門家に直接たずねるのが一番確実です。どうか自分を責めず、まずは「相談してみる」を選んでくださいね。