有給休暇を申請したのに、会社から「その日はダメ、別の日にして」と言われたことはありませんか。取得日を勝手に変えられるのはおかしいのではと感じるかもしれませんが、実は会社にも一定の条件のもとで日程の変更を求める権利があります。どこまでが認められる範囲なのか、基本を確認しておきましょう。
時季変更権とは
- 会社は「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、有給を取る日をずらすよう求めることができます
- これを「時季変更権」といい、労働基準法で認められた会社側の権利です
- あくまで「別の日にしてほしい」という調整であり、取得そのものを拒否することはできません
認められるケース・認められないケース
- 同じ日に多数の人が休みを申請し、業務が回らなくなる場合は認められやすいとされています
- 「人手が足りないから」という漠然とした理由だけでは、正当な変更とは認められにくいです
- 繁忙期であることを理由に、いつでも一律で有給を拒否することはできません
覚えておきたいこと。時季変更権は「別の日への変更」を求めるものであり、有給の日数そのものを減らしたり、取得自体をなかったことにする権利ではありません。
変更を求められたときの対応
- 変更の理由を書面やメールなど、記録が残る形で確認する
- 代わりに取得できる日を、できるだけ早く会社と相談する
- 理由に納得できない場合は、日程調整に応じつつも、やり取りの記録を残しておく
覚えておきたい注意点
- 退職が決まっていて、退職日までに他に有給を消化する余地がない場合、時季変更権は使えないとされています
- 有給の申請から変更の連絡までの期間が短すぎる場合、会社側の対応が不十分だったと評価されることもあります
- 変更を理由に評価やシフトで不利益な扱いを受けた場合は、それ自体が別の問題として相談の対象になります
困ったときの相談先
- 労働基準監督署:有給休暇の取得や時季変更権をめぐるトラブルを相談できます。
- 法テラス(日本司法支援センター):無料の法律相談の入り口になります。
- 各自治体の労働相談窓口:手続きの進め方を一緒に整理してくれます。
- 警察相談専用ダイヤル #9110:脅されている、身の危険を感じるときの相談先です。緊急時は110番を。