「夜のお仕事って特別だから、最低賃金とか関係ないのかな?」 そう思って、なんとなく低い時給や、よくわからない天引きを受け入れていませんか。 不安なまま働くのはつらいですよね。まずは「自分にどんな権利があるのか」を、いっしょに整理していきましょう。
夜のお仕事にも最低賃金は基本的に当てはまる
結論から言うと、お店で「働く人(労働者)」として雇われている場合、最低賃金法や労働基準法は基本的に当てはまります。お仕事の業種が夜のお店だから、という理由だけで、これらの法律の対象外になるわけではありません。
最低賃金は都道府県ごとに金額が決められていて、毎年見直されます。お店との約束(契約)でそれより低い時給にしていても、最低賃金を下回る部分は法律上は無効と考えられ、本来は差額を請求できる、というのが一般的な原則です。
ただし、自分が「雇われている人」なのか「個人事業主(業務委託)」なのかによって、扱いが変わることがあります。契約書の名前や働き方の実態によって判断が分かれるため、ここは迷いやすいポイントです。
覚えておいてほしいのは、「最低賃金より低くていいですよ」とあなたが同意したとしても、その同意だけでは最低賃金を下回ってよい理由にはならない、ということ。サインしたから諦める、ではないのです。
「時給は高いのに手取りが少ない」のからくり
求人では高い時給に見えても、実際の手取りが少なくなる原因の多くは「天引き」や「罰金(ペナルティ)」です。たとえばこんなものがあります。
- 遅刻・欠勤・早退などに対する高額な「罰金」
- ノルマ未達による減額や、売上からの一方的な差し引き
- 衣装・ヘアメイク・送迎などの名目で給料から引かれるお金
- 「お店のルール違反」として説明なく引かれる金額
これらは、内容や金額によっては法律上問題になることがあります。とくに、本来支払われるべきお給料から勝手に差し引くことには、ルールがあります。「全部お店の自由」ではありません。
自分のお給料を守るためのチェックリスト
不安を減らす一番の方法は、「記録を残すこと」です。今日からできることを挙げてみます。
- 契約書・誓約書は写真を撮るかコピーをもらい、手元に保管する
- 時給・控除・罰金の条件を、口約束ではなく書面やメッセージで残してもらう
- 出勤・退勤の時間を自分のスマホにメモしておく
- もらった給料明細(または振込額)と、自分の働いた時間を照らし合わせる
- おかしいと感じたら、その日のうちにメモやスクショで証拠を残す
数字が合わない、説明が二転三転する、というときは、ひとりで抱え込まないでください。
困ったときの相談先
「これって普通なの?」と感じたら、無料で相談できる窓口があります。匿名で聞ける場合も多いので、気軽に使って大丈夫です。
- 労働基準監督署(労基署):賃金の未払いや不当な天引きなど、働き方のトラブル全般。お住まいや勤務先の地域を管轄する署に相談できます。
- 法テラス:国が設けた法的トラブルの総合案内。条件に応じて無料の法律相談を案内してもらえます。
- 警察相談専用ダイヤル #9110:事件にするほどではないけれど不安、脅されている気がする、といったときの相談窓口です。
- 各自治体の女性相談窓口:お住まいの市区町村や都道府県が設けている相談先。生活や安全の悩みも含めて話を聞いてもらえます。
具体的な金額や契約の有効性など、個別の判断が必要なことは、弁護士や労基署などの専門家に相談するのが一番確実です。あなたには、自分の働きに見合ったお給料を受け取る権利があります。「知っておく」ことが、自分を守る最初の一歩になります。