給料を払ってもらえないまま退職してしまった、話し合いをしても会社が応じてくれない。そんなとき「裁判所を使う」という選択肢が頭をよぎっても、労働審判と少額訴訟のどちらを選べばいいのか分からず、結局動けずにいませんか。それぞれの特徴を知れば、自分の状況に合う手段が見えてきます。

まずは大きな違いを整理する

  • 労働審判:解雇・給料未払いなど労働トラブル全般を扱う。金額に上限はなく、話し合い(調停)を軸にしつつ、まとまらなければ審判が出る
  • 少額訴訟:60万円以下の金銭請求に限られる。未払い賃金の額が比較的少なく、争点がシンプルなときに向いている
  • どちらも通常の民事裁判より手続きが簡単で、解決までの期間が短い

未払い額が数万円程度で会社側も大きく争ってこなさそうなら少額訴訟、金額が大きい・解雇や退職の有効性も絡むなら労働審判、という分け方が目安になります。

それぞれが向いているケース

  • 少額訴訟が向いている:未払い額が60万円以下で、勤務日数や時給など事実関係に大きな争いがない場合
  • 労働審判が向いている:未払い額が60万円を超える、解雇や雇止めの有効性も争いたい、会社側が強く反論してきそうな場合
  • どちらも証拠(給料明細・タイムカード・雇用契約書・やり取りの記録)が重要になる点は共通している

覚えておきたいこと。少額訴訟は原則1回の審理で終わる分、争いが複雑だと通常訴訟に移ることがあります。迷ったときは、まず労働基準監督署や法テラスで状況を話してみるのが近道です。

手続きを始める前に準備したいこと

  • 給料明細・雇用契約書・タイムカードや勤務記録のコピーを集めておく
  • 未払いになっている金額と期間を時系列で整理しておく
  • 会社とのやり取り(メール・メッセージ・録音など)を保存しておく

証拠が整理できているほど、どちらの手続きを選んでも話がスムーズに進みます。一人で判断がつかないときは、無理に決めず専門家に相談してから選んでも遅くありません。

困ったときの相談先

  • 労働基準監督署:未払い賃金の相談・是正勧告の申立てができます。
  • 法テラス(日本司法支援センター):無料の法律相談で、どちらの手続きが合うか相談できます。
  • 警察相談専用ダイヤル #9110:身の危険を感じるときの相談先です。緊急時は110番を。
  • 各自治体の女性相談窓口:暮らしやお金に関する悩みを幅広く相談できます。

証拠のコピーを持って相談するだけでも、次の一歩が具体的になります。