「確定申告で税金が思ったより高くてびっくりした」「節税って言葉は聞くけど、自分に何ができるのかわからない」──個人事業主やフリーランスとして働く方の中には、こんなモヤモヤを抱えている人も多いのではないでしょうか。ここでは、iDeCo(個人型確定拠出年金)と小規模企業共済という、掛金が全額控除になる制度をやさしく紹介します。

iDeCoとは

iDeCoは、自分で掛金を積み立てて将来の年金を増やす制度です。毎月の掛金が全額「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引かれるため、その分だけ課税対象の所得が減り、納める税金が軽くなります。

  • 掛金は月5,000円から、1,000円単位で自由に設定できる
  • 個人事業主の場合、上限は月68,000円(国民年金基金と合算)
  • 原則60歳まで引き出せない「老後のための積立」という性質がある
  • 運用商品(投資信託・定期預金など)を自分で選ぶ

積み立てたお金は基本的に引き出せないため、生活費に余裕がある月に無理のない金額で始めるのが安心です。

小規模企業共済とは

小規模企業共済は、個人事業主のための「退職金」を積み立てる制度です。iDeCoと同じく、掛金が全額所得控除になります。

  • 掛金は月1,000円〜70,000円まで500円単位で設定可能
  • 廃業・引退時にまとまった共済金を受け取れる
  • 掛金の範囲内で事業資金の貸付制度も利用できる
  • 途中で減額もできる(増額もしやすい)

覚えておいてほしいこと。iDeCoも小規模企業共済も、掛金は全額が所得控除の対象になります。確定申告のときに控除証明書を添付し忘れると、控除が反映されず税金を多く払うことになるので注意が必要です。

始める前に確認しておきたいこと

どちらの制度も、開業届を出して「個人事業主」として届け出ていることが前提になる場合があります。まだ開業届を出していない方は、先に手続きが必要かどうか確認しておきましょう。

  • 自分が開業届を出しているかどうか
  • 毎月の収入から無理なく積み立てられる金額はいくらか
  • 掛金の払込証明書(控除証明書)は年末に郵送されてくるので保管しておく
  • 確定申告書の「小規模企業共済等掛金控除」欄に金額を記入する

収入が不安定になりやすい働き方だからこそ、無理のない金額から始めて、状況に応じて減額・増額できる仕組みを活用するのが安心です。

困ったときの相談先

制度の仕組みや自分に合った金額がわからないときは、一人で抱え込まずに相談してみてください。

  • 税務署:確定申告や控除の書き方について無料で相談できます
  • 法テラス(日本司法支援センター):契約や報酬に関する法律的な疑問を相談できます
  • 労働基準監督署:給与・報酬のトラブル全般の相談先です
  • 警察相談専用ダイヤル #9110:お金に関するトラブルに巻き込まれそうなときの相談窓口です
  • 各自治体の女性相談窓口:お金や働き方の悩みを幅広く相談できます