求人票の給料欄に「固定残業代を含む」と書いてあったけれど、実際どういう意味かよくわからないまま働き始めた。そんな方は少なくありません。固定残業代の仕組みを正しく知らないと、本来もらえるはずの残業代を受け取れないまま働き続けてしまうことがあります。まずは基本の考え方から整理しましょう。
固定残業代とは何か
- あらかじめ一定時間分の残業代を、基本給や手当に含めて毎月定額で支払う仕組み
- 「みなし残業」「固定残業手当」「営業手当」などの名称で呼ばれることがある
- 制度自体は違法ではないが、成立には条件があり、条件を満たさないと無効になる場合がある
成立のために必要な条件
- 固定残業代として何時間分・いくらを支払っているかが、契約書や求人票で明確にわかること
- 基本給と固定残業代の金額がはっきり分けて示されていること
- 実際の残業時間が固定分を超えたときは、超えた分の残業代を別途支払うこと
覚えておきたいこと。固定残業代は「何時間分いくら」を上回った場合、超過分の残業代を追加で払うのが法律上のルールです。固定分を払っているからと、それ以上の残業代を一切払わない扱いは認められません。
確認しておきたいポイント
- 求人票・雇用契約書に固定残業代の時間数と金額が明記されているか
- 給与明細で基本給と固定残業代が別項目になっているか
- 実際の残業時間を自分でも記録し、固定分を超えていないか毎月チェックする
- 固定分を超えているのに追加の支払いがない場合は、記録をもとに会社へ確認する
よくある誤解に注意
- 「固定残業代を払っているから、何時間働いても追加は一切ない」という説明は誤り
- 求人票に「固定残業代45時間分込み」のように、実態とかけ離れた長時間分が組み込まれているケースもある
- 固定残業代の時間数が明記されていない場合、そもそも制度として認められない可能性がある
- 転職・入社時は、基本給だけを見るのではなく、固定残業代の内訳まで確認してから契約する
困ったときの相談先
- 労働基準監督署:残業代の未払いなど法律違反が疑われるトラブルを相談できます。
- 法テラス(日本司法支援センター):無料の法律相談の入り口になります。
- 各自治体の労働相談窓口:働き方や給与の悩みを幅広く相談できます。
- 警察相談専用ダイヤル #9110:脅されている、身の危険を感じるときの相談先です。緊急時は110番を。