内定が出てほっとしたのもつかの間、入社書類に「身元保証書」が入っていて手が止まった。家族とは疎遠で、頼める人が思い当たらない。そんな不安を抱えている方は少なくありません。まずは、身元保証人が何を意味する書類なのか、落ち着いて整理していきましょう。
身元保証人とは何をする人?
身元保証とは、入社する人が会社に損害を与えてしまったときに、保証人がその損害を補う責任を負う、という約束です。連絡先を預けるだけの書類ではなく、お金の責任が伴う契約である点が大切です。
- 保証人になった人は、本人が会社に与えた損害について責任を問われる可能性がある
- 損害を与える原因は、仕事上のミスや不正行為などが想定されている
- 通常の仕事の範囲で起きたミスまで、全額を負担させられるとは限らない
覚えておきたいこと。身元保証書は「形式的な書類」に見えても、保証人にとっては金銭的な責任を引き受ける契約です。内容を読まずに署名してもらうのは避けましょう。
責任の範囲と期間には決まりがある
身元保証については「身元保証に関する法律」があり、保証人の負担が重くなりすぎないよう、一定のルールが定められています。
- 期間を定めない場合、保証の期間は原則3年で、定める場合も最長5年とされている
- 本人の仕事ぶりに問題が出たときなど、会社は保証人へ知らせる必要がある
- 裁判所は、会社側の落ち度や本人の状況を踏まえて、保証人の責任の範囲を決める
- 保証金額に上限を定める必要がある契約もあるため、書類に金額の記載があるか確認する
細かな扱いは契約の中身で変わるので、書類にある期間・金額・対象の記載をそのまま読み、不明点は会社に質問して構いません。
頼める人がいないときの動き方
- まず会社に、身元保証人が必須なのか、代わりの方法があるのかを確認する
- 親族に限られるのか、友人や知人でもよいのかを聞いておく
- 保証会社などの代替制度を使える会社もあるため、選択肢の有無をたずねる
- 無理に頼める人を探して、相手に重い負担を背負わせることは避ける
伝え方の例は、「事情があって保証人を立てるのが難しいのですが、代わりの方法はありますか」のように、事実を落ち着いて伝える形がおすすめです。理由を細かく説明する必要はありません。
署名する前にチェックしたいこと
- 保証の期間と、責任を負う金額の上限が書かれているか
- 保証人が何に対して責任を負うのかが具体的に書かれているか
- 保証人本人に内容を説明し、同意をもらったうえで署名してもらうか
- 控えをもらい、手元に保管しておく
署名してしまった後でも、保証人から会社に事情を伝えて話し合えることがあります。不安があれば早めに相談しましょう。
困ったときの相談先
- 労働基準監督署:入社時の書類や労働条件に関する相談ができます
- 法テラス:契約書の内容や保証人の責任について、無料の法律相談を案内してもらえます
- 警察相談専用電話 #9110:書類を理由にした脅しや、不当な請求を受けたときの相談に使えます
- 自治体の女性相談窓口:仕事や生活の不安を、女性の相談員に話せます
一人で抱え込まず、書類にサインする前に誰かに見てもらうだけでも、安心感が違います。