求人票や契約条件に「裁量労働制」と書かれていて、実際の働き方や給料がどう決まるのか分からず不安になったことはありませんか。名前だけ聞くと自由な働き方のようですが、法律で対象業務や手続きが細かく決められた制度です。まずは仕組みを知っておきましょう。

裁量労働制とは

  • 業務の進め方や時間配分を大きく働く人自身の裁量に委ねる代わりに、実際の労働時間にかかわらず「あらかじめ決めた時間働いたとみなす」制度です
  • 「専門業務型」(デザイナー・研究開発職など法律で定められた業務が対象)と「企画業務型」(企業の企画・立案・調査などが対象)の2種類があります
  • 会社が対象業務を自由に決められるわけではなく、対象業務は限定されています。事務作業やレジ打ちなど裁量の余地が小さい仕事には本来適用できません

みなし残業代との違い

  • みなし残業代(固定残業代)は「時間」ではなく「割増賃金の金額」をあらかじめ決めて支払う仕組みで、労働時間の管理自体は必要です
  • 裁量労働制は「労働時間そのもの」をみなす制度で、実際に何時間働いても契約で定めた時間働いたものとして扱われます
  • どちらの制度でも、深夜労働(22時〜5時)の割増賃金や休日労働の割増賃金は別途支払われる必要があります

覚えておきたいこと。裁量労働制でも、深夜・休日の割増賃金の支払い義務はなくなりません。「裁量労働制だから残業代は一切出ない」という説明は誤りです。

導入の手続きが正しいか確認したいポイント

  • 専門業務型は労使協定、企画業務型は労使委員会の決議が必要です。会社が一方的に導入できる制度ではありません
  • 対象業務・みなし労働時間・健康確保措置などが労働契約書や就業規則に明記されているか確認しましょう
  • 実際には裁量がほとんどなく、始業・終業時刻や仕事の進め方を細かく指示されている場合、制度の適用自体が無効と判断されることがあります

困ったときの相談先

  • 労働基準監督署:裁量労働制の導入手続きや運用の実態を相談できます。
  • 法テラス(日本司法支援センター):契約内容や制度の適法性について法律相談ができます。
  • 各自治体の女性相談窓口:働き方全般の不安を相談できます。
  • 警察相談専用ダイヤル #9110:身の危険を感じるときの相談先です。緊急時は110番を。