「出勤の途中で転んでケガをした」「帰り道に事故に遭った」──仕事中ではないから労災は使えないと思い込んでいませんか。通勤中の事故は「通勤災害」として、仕事中のケガとは別の枠組みで労災保険の対象になることがあります。認定の条件と流れを整理しておきましょう。
通勤災害と認められる条件
労災保険でいう「通勤」は、住居と勤務先の間を「合理的な経路及び方法」で移動することを指します。
- 自宅から職場、職場から自宅への移動であること
- 複数の勤務先を掛け持ちしている場合、勤務先間の移動も対象になる
- 通勤経路から大きく外れたり、通勤と無関係な目的で寄り道したりすると対象外になることがある
- 日用品の購入や病院への立ち寄りなど、日常生活上必要な行為による中断は例外的に認められる場合がある
寄り道の内容によって扱いが変わるため、自分のケースがどうなるか迷ったときは自己判断せず相談することが大切です。
申請の流れ
通勤災害と認められると、治療費や休業中の補償を労災保険から受け取れます。
- ケガをしたらまず医療機関を受診し、労災であることを伝える
- 事業主(会社)に通勤災害があったことを報告する
- 「療養給付」「休業給付」など必要な様式の請求書を用意する
- 事業主の証明をもらい、労働基準監督署に提出する
覚えておいてほしいこと。通勤災害は健康保険ではなく労災保険の扱いになります。誤って健康保険証を使って受診してしまった場合も、後から労災に切り替える手続きができるので、慌てずに窓口へ相談してください。
会社が労災に消極的なとき
会社によっては労災の手続きに協力してくれない、あるいは労災を使わせたがらないケースもあります。
- 事業主の証明が必要な欄は、会社の協力が得られなくても労働基準監督署に相談すれば手続きを進められる場合がある
- 労災を理由に不利益な扱いを受けることは法律で禁止されている
- やり取りの記録(日時・内容)はメモやメールで残しておく
困ったときの相談先
一人で抱え込まず、公的な窓口に相談してみてください。
- 労働基準監督署:通勤災害の認定・申請手続き全般の相談先です
- 法テラス(日本司法支援センター):会社とのやり取りで法律的な疑問があるときに相談できます
- 警察相談専用ダイヤル #9110:事故の相手とのトラブルなど、犯罪に関わりそうな不安があるときの相談窓口です
- 各自治体の女性相談窓口:働き方や暮らしの悩みを幅広く相談できます