「自分の写真を使って、AIで変な画像や動画を作られていたらどうしよう」——SNSに顔写真を載せている人なら、一度は感じたことのある不安かもしれません。技術の進化で、実際に撮っていない画像や言っていない発言をAIで作られてしまうケースも出てきています。仕組みと対処法を知っておけば、いざというときにも落ち着いて動けます。
AIで「顔を差し替えた」画像・動画とは
いわゆる「ディープフェイク」は、AIが人の顔や声を学習し、別の映像や画像に合成する技術です。もとは映画やエンタメでも使われる技術ですが、本人の同意なく悪意を持って作られると、なりすましや誹謗中傷、脅迫の道具にされてしまうことがあります。
- 実在の写真を加工して別人のように見せかけるもの
- 存在しない性的な画像・動画を合成するもの
- 発言していないセリフを話しているように見せる音声・動画
「そんな写真は撮っていないから大丈夫」ではなく、公開している顔写真の枚数や解像度が多いほど、悪用の材料にされやすいという前提を持っておくことが大切です。
見つけてしまったときにできること
自分に関する偽の画像・動画を見つけたら、慌てずに次の順番で動きましょう。
- URL・投稿日時・アカウント名が分かる状態でスクリーンショットを保存する(消される前の証拠になります)
- 掲載されているSNSやサイトの「通報」「削除申請」フォームから運営に削除を求める
- 名誉毀損・肖像権侵害・信用毀損にあたる可能性があるため、弁護士や法テラスに相談して法的な削除請求を検討する
- 悪質な脅迫や金銭要求が伴う場合は、警察への相談も選択肢に入れる
削除依頼を出す前に、証拠(URL・画像・投稿日時のスクリーンショット)を残しておくこと。消えてしまってからでは「そんな投稿があった」ことを証明しにくくなります。
日頃からできる予防策
すべてを防ぐことはできませんが、リスクを減らす工夫はできます。
- 顔がはっきり分かる高解像度の写真を、鍵のかかっていないアカウントに大量には載せない
- 顔出しアカウントと、仕事用・プライベート用のアカウントを分けて運用する
- 自分の名前で定期的に検索し、身に覚えのない画像や投稿がないか確認する習慣を持つ
- 不審な画像を見つけたら、一人で解決しようとせず早めに相談する
「投稿しない」よりも「見つけたときにすぐ動ける準備をしておく」ことのほうが、長い目で見て現実的な対策になります。
困ったときの相談先
一人で抱え込まず、次のような窓口に相談できます。
- 労働基準監督署:職場の関係者が業務に関連して画像を無断使用・拡散した場合の相談先になり得ます
- 法テラス:肖像権侵害や名誉毀損について、弁護士への無料相談や費用の立替制度を利用できます
- 警察相談専用ダイヤル #9110:なりすまし画像による脅迫・嫌がらせなど、犯罪の可能性がある場合に相談できます
- 各自治体の女性相談窓口:ネット上のトラブル全般について、まず話を聞いてもらえる窓口です
技術が進んでも、対処の基本は「証拠を残す」「一人で抱えない」ことです。落ち着いて、頼れる窓口を使ってください。